白河夜船 (新潮文庫)

白河夜船 (新潮文庫)

ずいぶん前に、古本屋でよしもとばなな5冊セットを買ったときの。学校に置きっぱなしにして、暇な時間にちょこちょこ読んでいたせいか、ずいぶん時間がかかりました。表題作を読み終わってもタイトルの意味がわからなくて、辞書で引いてみたら、「眠っていて何も気づかないこと」という意味だそうです。なぜかって言うと、京都見物をしたと嘘をついた人が、京都の白河という地名を尋ねられたときに、川の名前だとおもって「夜に船で通ったから知らない」と答えたら、嘘がばれたという話からきているみたい。なるほど。表題作のほかに2つの話があるのだけれど、登場人物たちがみんなふわふわしていた。地に足が着いてない感じ。ちょっと大丈夫かな?っていう。別に特段に変な行動をとったり、っていうわけではないんだけれど、どこか不安定。さびしいときってそういう状態になる気がする。人間がすぐに飛んでいってしまうようなものだとしたら、なにかしらその人にとって重石になるものがあって、それはきっとたくさんあって、少しでも欠けてしまうと、片方だけが浮き上がってしまって、不安定になるのかも。そういえば、別に不安定になったわけじゃないんだけど、表題作の「白河夜船」の主人公のように、ずーっと眠くて、暇さえあれば寝てた時期があります。やっぱりちょっと危機感感じました(笑)